シャイアンインディアンの祈りより

独りぼっちだったり困りはてていたり誰かの助けが必要なときは
まぶたを閉じてわたしを思いわたしの名前をよびなさい。

そうすればわたしはくる。

見上げる夏の日の大空にわたしの姿をさがしもとめ

道に響くわたしの足音にあなたの耳をこらしなさい。

石を持ちあげてみればそこにわたしは いる。

HO!

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正装

周りの人たちから子どもたちの行事やパーティで必要になるから礼装は持っていた方がいいと言われ
礼装を作る事になりましたしかもオーダーメイド❗
日本でもオーダーメイドのスーツなんて一着も持っていないので、なんか恥ずかしいなぁと思いながら
待っている時もスーツをビシッと決めたジェントルマンがお世辞の一つも言いながら高級生地を選んで
寸法を測ってくれるイメージを想像していたら来たのは近所のオバチャン?
オバチャンはチャッチャと寸法を測って帰っていきました…恥ずかしいと思った自分がハズカシイ(/ω\)
数日後できたという連絡があり取りにいったらフィリピンの礼装もですが、その綺麗な刺繍にビックリ

フィリピンの正装はバロンタガログ(Baro ng Tagalog)といいます。
素材はパイナップルの葉や、バナナ繊維を利用して製造されていて、薄くポケットがないのは
武器を持っていない事を示すためだそうです。
そしてなによりも花柄や幾何学模様などの刺繍のデザインが細かく美しかったです。
しかしこれだけの技術がありながら最近は作る人も少なく仕事がないと呟いていました。
これだけの技術があるのにもったいないと思った僕は何か仕事に結びつけないかと考え調べていたら
当時はコスプレブームで、某オクも始まって間もない頃だったのでこっちで作って某オクに出せば
売れるんじゃないかと思い、オバチャンに相談したらやってみたいとノリ気でした。
しかしここで問題が発生しました。
僕自身が漫画をあまり読まないし、アニメやコスプレの世界の事をまったく知らないという事💦
そこで今なにが流行っているのか、これから何が流行るのかリサーチしオバチャンに伝えると
あと二人できる人が近所にいるという事でミシンを3台用意してコピーした画を元に作ってもらいました。
出来上がりは素晴らしいものでさっそく写真を撮って出品しました。
金額はオバチャンたちの給料+生地や小物類そして少しの手間賃と送料で安く設定したら
自分の目を疑いたくなるくらい日に日に入札が上がっていって落札価格に驚きでした。
その後もバンバン売れ、リピーターまで出てくるようになりオバチャンたちも大喜びでした。

今はご自分で作る人がほとんどですが、当時は買っていたんですねぇコスプレイヤーさまさまです。

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家族が増えました

ジェニーと一緒に暮らすようになって2年目の頃、警察官が一人の女の子を連れてきました。
やはり親が捕まり、身寄りもなく可哀そうだからおまえのところに連れてきたとの事。
そういう事はジェニーもいることだし前もって…既にジェニーとブチは女の子のところで
なにやらヒソヒソ話をしていて、うつむいていた女の子の顔も微笑みが😊
ただ、これはあとから知った事なのですが女の子には持病があり、心臓がちょっと弱く喘息で
過激な運動は好ましくないという事でした。
しかし子どもですからジッとなんかしていないだろうし、できるだけ自由に遊ばせたかったので
ケアを徹底し、警察官の家族はもちろんジェニーにもご近所の方たちにも事情を話して
注意して見守っていただけるようお願いしました。

女の子の心のケアはジェニーとブチにまかせて僕は一歩引いて見守っていました。

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支えあう

フィリピンではノラ犬や猫が人間とちゃんと支えあって生きています。
たとえばローカルレストランで食事をしていると野良犬が近づいてきてきます。
もちろん自分の食べているものをあげる人もいればあげない人もいますが
あげると嬉しそうにたべています。

日本に帰って思った事は野良猫はいても野良犬はいないなぁということです。
そして捨て犬や捨て猫が多すぎ!
動物にだって命はあるのに、ただ可愛いから飼っていう事聞かないからとか飽きたからポイですか?
捨てられた子は保健所に連れていかれて安楽死?
飼った時点で責任もちなさいよ捨てた人は裁判で裁けない殺人者だと思います。

里親会に行っても、みんな優しい良い子たちばかりです。

ボランティアの方たちにはほんと頭が下がります。

せっかくみんな同じ地球の上に立っているんだから仲良くしましょうよ。

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父になった日

ジェニーも学校に行きはじめ、周りも友だちもできて楽しそうでした。
学校の送り迎えも僕が行けない時は友だちや警察官の家族の誰かが行ってくれ
運よく近所のサリサリストアを営むご夫婦の奥さんが日本には何回も行った
ベテランのタレントさんで、日本語ペラペラで僕とジェニーの事を知って
何か手伝わせてくれといつもご飯や掃除をしてくれ僕も安心して仕事ができました。
そもそもサリサリストア(sari-sari store)とは何ぞやという事で簡単にいうと
どこの街にも村にもあって日本でいう小さな雑貨屋みたいなお店で家庭用品から
ジュースや酒類・食料など売っていてとても便利な小さなコンビニです。

みんなの助けがあって少しづつですが、過去に負った心の傷も癒えていきました。

そして僕の誕生日をみんなや近所の方たちが祝ってくれて、その時ジェニーが
恥ずかしそうに小さな声でダディハッピーバースデーと言ってくれました。
はじめてダディと呼ばれて涙が出るほど嬉しかった。

この子を絶対守ると誓って数十年、今ではジェニーもお母さん😊

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ジェニー

女の子の名前はジェニー当時6歳
ジェニーはとても明るくて優しい女の子なんです。
しかし時々ベットで泣くのを我慢して体を震わせていました。
そんな姿を見てか警察官が飲みながら話してくれた事は
僕らが毎日のように目にするストリートチルドレンの事や
虐待やレイプの実態
片親もしくは親のいない子どもたちの事など

写真のようにゴミ山で食べられそうな物やお金になりそうな物を探す子どもたち。
シ○ブ欲しさに走ってくる車の前に自分の子どもを放り投げて運転手にお金をせびる鬼畜のような親。
結婚しようとか甘い言葉で誘惑して子どもができたと告げられたら音信不通の日本人。
フィリピンはほとんどの方がカトリックなので子どもはおろせませんし法律でも禁じられています。
更に好きな人とだったら避妊しない人が多いのもフィリピン人です。
もしくは、せっかくゲットした外人の彼氏に捨てられたくないからだそうです。
外人と結婚すれば家族は安泰だしビザもおまけで付いてくる。
しかし金持ちを装って甘い言葉で誘惑して気持ちイイ͡事して帰国しちゃって子どもができたら
音信不通になっちゃってシングルマザーになっちゃう女性が多いです。
騙しあってるわけですからどちらも悪いですが分が悪いのは確実に女性ですよね。
お互い気持ちいい事したんだから責任もちましょうよ。
途中日本人と本音を書いてしまったのは、僕が預かった子どもたちに日本人とのハーフの子が
多かったんです。
なのでこんなブログ見てはいないと思いますが、ひとこと言わせてください。
あなたが無責任に捨てた子どもは、とても傷つき、とても辛い思いをしましたが今はとても元気です。

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憧れの聖地

家を探すと言っても今回はダバオの時の経験もあるし、条件がある程度決まっていたので
割と早く決まりました。
最優先は子どもが安心して暮らせるところ。
警察官や友だちが近くに住んでいるところ。
みんなが協力してくれて探してくれている時も、できるだけそばにいてあげたかったんですが
たとえ虐待していたクソ親父でも、その親を突き倒して怪我をさせ離れ離れさせた
どこの馬の骨かもわからない異国の人間に心を閉ざした女の子が懐くわけがありません。
そんな時そばにいてくれたのがブチや他の動物たちでした。
その光景は僕が言葉の壁にぶつかった時と同じで、女の子とブチが寄り添っていました。
女の子の誕生日も近いという事でどこに行きたいと聞くと小さな声でジョリビーというので
警察官の家族や友だちみんなで行き、お店に入るといきなり泣き出しました。
僕はわけがわからずオロオロしていると女の子は僕の手をはじめて握ってくれました。
そうなんです僕らが何気に入っていたお店も彼女には憧れの聖地だったんです。

ジョリビーとはフィリピンが発祥の地の国内ではファーストフードNO1のお店なんです。
実際にマクドナルドの店舗数が640に対してジョリビーは1150店舗で圧倒的。
フィリピン人の味の好みも徹底的に研究しているのか、僕が初めてスパゲティを食べた時は
甘いスパゲティに衝撃を受け二度と食うかと思ったのですが、その甘さに慣れると美味しくて
毎回注文してしまいます(笑)

ブチとジョリビーのおかげで彼女も少し心を開いてくれ、家も決まりました。

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タイミング

車屋のスタッフと裏道のところで飲んでいたら女の子の悲鳴のような声が聞こえても
普段だったら遊んでんのかなくらいしか思わないのですが、その時はどうしても気になり
声のする方へ近づいていくとちょっと人混みができていてスタッフが聞くと男が暴れていると
いうので、興味本位で覗いたらクソ親父が下半身スッポンポンで幼い子どもとじゃれあってる?
しかし女の子は悲鳴のような声で泣いていたので、声をかけたらクソ親父が飛びついてきたので
押し倒すとタイミングよく警察という名の看板しょったマフィアが現れ僕が日本人という事に
気がつくとクソ親父を怪我させて女の子をさらおうとしたのかといつのまにか僕は犯罪者に(笑)
そしてスタッフがクソ警官と言い争っていると、もう一人のクソ警官が僕を外に呼び出し
このままモンキーハウス(刑務所)に行くか、この場でお金で解決するかどっちがいいと言いだし
すかさずお金と言って用意させるから電話させろと、いつも正義の味方の友だちの警察官に
事情を説明しお金を持ってこいと言われたと言うと警察官は他の警察官とすぐに駆けつけてくれ
クソ警官は連れていかれハッピーエンド…ではなく下半身スッポンポンのクソ親父はシ○ブ中で
自分の子どもをレイプしようとしていたという事で捕まり、奥さんは逃げて行方不明なので残された
女の子は、このままでは心を閉ざしたまま施設行きという事になり、とりあえず警察官が保護すると
いう事で、家に連れて帰りました。

しかしずっと保護するには裁判とか身元調査とか、いろんな問題がでてきます。
警察官の家は正直そんなに大きくないし環境もよくはないので確実にひっかかります。
いろいろと考え、車屋もこれからは輸入も厳しくなるだろうし、コンドミニアムも自分名義ではないし
子どもが安心して暮らせる場所が最優先と考えるなら、ちゃんとした一軒家がいいだろうという事に
なり、これもすべて縁だし良いタイミングかもという事で家探しがはじまりました。

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車屋さん

コンドミニアムに引っ越しガイドの仕事も順調だったのですが、あるお客様から
フィリピンで車を売ってみないかというオファーをいただき、日本でもブローカーみたいな事は
時々やっていたので興味本位で話を聞くと、車はオークションや個人販売でお客様が手配し
こちら側はお店を構えて税関などの手配をするという事で、警察官に相談しリサーチもして
手配も確実にできるとなったので、車屋さんをオープンしました。
当時は日の丸ブランドは最強でしたし、ハンドルも右ハンドルのままでもよかったし割と簡単に港から車を出せたので楽でしたが数年後、警察官の友だちから新車を売っている日本のディーラーさんが
中古車ばかり売れて新車がまったく売れない。
このままではフィリピンから撤退するしかないような事を言っていて中古車の輸入が厳しくなり
右ハンドルの車はすべて左ハンドルにし、関税も高くなるという話でした。
できるだけ切り詰めて、できるだけ安く売っていたのにハンドルの工賃や関税がプラスとなると
安くは売れないなどの話を飲みながら話していると女の子の悲鳴のような声が

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場違い

コンドミニアムの件は女の子も落ち着いて一段落ついたのですが
日本人の方が帰る前に契約した部屋の事で相談を受け、売るかレンタルしてほしいとの事。
それまでは自由に使ってもらってかまわないと言われ、僕はあなたとは関わりたくないと
正直に言いましたが他に頼れる人はいないと言われ仕方なく引き受けそのままにしておくのも
もったいないので、僕はコンドミニアムに引っ越しました。
引っ越すといってもフルファニチャーだったので持って行ったのは服や小物だけですが。

30階以上ある建物で一階には雑貨屋さんやパーラー・オフィスなどがあり、2階からは住居フロア。
屋上にはジムやプールといかにもお金持ちが住むような所で僕には場違いというか落ち着きません。
でもさすがフィリピン雨が降ると地下の駐車場は水たまりになるし、引き戸はズレてて閉まらない。
内心ホッとしてしまうのは僕だけでしょうか(笑)

確かに快適空間なんですが、ブチと散歩もできないし、ニワトリのモーニングコールは聞けないしで
なんか落ち着かないのでここはオフィス兼住居にして寝泊まりは警察官の家の方が多かったような😅

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