天への階段

帰国して財布に余っていた1000ペソを見て警察官のお母さんが話してくれて言葉を思い出しました。
1000ペソの裏に描かれた棚田はルソン島北部イフガオ州にあり、天への階段とも称されています。
1995年には世界文化遺産にも登録され、2000年以上前にイフガオ族が神への捧げものとして
造ったとされ、文化と共に守り継がれてきたところです。

そして紙幣表に描かれている3人の方は、第二次大戦時に日本軍によって処刑された人たちで
1000ペソ札の左上の男性はホセ・アバド・サントスという人で当時の最高裁長官をしており
大戦中は日本軍が支配していない地域の最高責任者の位置にありましたが日本軍に逮捕され
日本軍から『日本軍に協力すれば処刑しない』と言われたものの拒否し処刑されています。

1000ペソ札下の女性はジョセファ・エスコバという人で彼女は教育者でガールスカウトを創設し活躍していたのですが、夫とほぼ同じ年に日本軍に逮捕されサンチャゴ要塞に収監され1944年にマニラ中国人墓地で銃殺刑にされており、埋葬場所は現在もわからないということです。

1000ペソ札の右上の人はヴィセンテ・リムという中国系の人ですが、フィリピン人としては初めて
アメリカのウェストポイント士官学校を卒業した人で同じく日本軍によって処刑されています。

こうした3人の日本軍の手で処刑されていった方が、一番大きな金額の紙幣に載っているという事実を
見ても『フィリピンは第二次大戦時の日本軍占領を永久に忘れない』という強い意志を感じます。
しかしこんな事が過去にあったとしてもお年寄りから子どもたちまで友好的で
いつもあたたかく出迎え接してくれる比国人に改めて感謝な気持ちになりました。

そして日本兵がフィリピンを守った話や日本兵とフィリピン人のラブストーリーもあるので
機会があったらお話させていただきますね。

つづきます